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閃源会・学外見学会報告 (新潟・群馬方面原子力関連施設)

原子力安全工学科の学生団体「閃源会」は、2016年8月31日から9月2日にかけて、新潟県の東新潟火力発電所、柏崎刈羽原子力発電所、長岡技術科学大学・原子力システム安全工学専攻、群馬県の髙崎量子応用研究所を訪問する見学会を実施しました。

この学外見学会は、毎年夏休み期間中に開催しており、学生が企画立案し、訪問先との調整、旅行代理店との交渉を行うなど、学生が主体となって実施する活動です。学科の教職員は、計画案を確認し、実施にあたってのサポートを行うに留めることが学生の自主性を伸ばすことにつながると考え、一歩引いて見守るようにしています。

本年度は、3年生4名、2年生2名、1年生9名合わせて15名、および引率教員として羽倉助教が参加しました。今回のテーマは、①原子力発電以外の大型発電方式についても学び、エネルギー供給における原子力の役割を改めて考えること、また、②加速器技術等の放射線応用分野について学ぶこととしました。

初日に訪問した東新潟火力発電所は、LNGを燃料とした国内で最初のコンバインド方式の大型発電設備で、総出力514.9万kWを有し、国内最大級の発電所です。最新の4号系列では熱効率55%を達成しています。火力発電設備の概要とともに、LNGの輸送、貯蔵についてもお話を伺いました。見学後の質疑応答ではガスタービンや発電機の技術的な内容や設備の運用方法など様々な質問が上がりました。

2日目の午前には、柏崎刈羽原子力発電所を訪問しました。福島事故後の安全対策(地震・津波)の実施状況の説明を受けた後、バスで構内の安全対策設備を見学しました。その後、6,7号機の建屋内・管理区域内へも入域させていただき、「止める」「冷やす」「閉じ込める」という重要な機能を達成するための設備を間近に見せていただきました。質疑応答では、中越沖地震の経験を踏まえて改善された点や、一般の方々へ原子力発電について説明する際に心がけていることは何か、といった質問が上がりました。

午後には、長岡技術科学大学・原子力システム安全工学専攻の静電加速器設備を見学しました。昨年運転を開始したばかりという新しい設備でイオンビームを用いて行われている研究についてご紹介いただきました。

最終日は量子科学技術研究開発機構の髙崎量子応用研究所を訪問しました。量子ビーム応用研究の概要を伺った後、Co-60ガンマ線照射施設、イオン照射研究施設(TIARA)を見学しました。見学後には本学の卒業生でイオン加速器管理課にて勤務されている先輩にも同席いただき、質疑応答・意見交換を行いました。「学生時代にやっておいた方がよいことは何でしょうか」という質問に「人脈、ネットワークを作ること」「あらゆることに好奇心をもって調べたり、学んだりすること」が大切であるというお話をいただきました。

全行程を通じて、1年生から3年生までが交流する機会もあり、非常に有意義な見学会になりました。今回の経験を踏まえ、今後の勉学につなげてもらえればと期待しています。

2016年9月3日
東京都市大学 原子力安全工学科
助教・羽倉尚人

 

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