特色
原子力安全工学科の授業カリキュラムは以下の6つの特色にまとめられます。
総合的な工学基礎技術の習得
狭義の原子力技術に限定せずに、「機械工学」、「電気電子工学」、「原子炉工学」および「放射線工学」を基礎とする技術の融合として捉えています。基礎的な教育の段階においては、既存の機械系、電気系で学ぶような、「機械工作実習」や「電気機械・放射線実験」などを行ないますので、総合的に工学基礎技術を習得できます。
「原子力技術」「放射線取扱技術」「原子力安全工学」を軸とする人材育成
「原子炉物理学」、「原子炉運転制御工学」、「核燃料サイクル工学」および「廃炉工学」を専門教育の中核とする「原子力技術者教育」、原子力施設の放射線環境の保全に重点を置いた、放射線応用技術に関わる「放射線取扱技術者教育」、さらには「原子力リスク評価工学」、「原子力危機管理」といった専門領域からなる「原子力安全工学の知識を備えた人材」の育成のためのカリキュラムとなっています。
実務に即応できる技術者の育成
本学原子力研究所の既存設備・機器を利用して原子力の安全に関わる基礎的な放射線・原子力実験を行うことができ、さらに学外の原子力関連機関・施設との連携により、従来の実験室レベルでは得られない実機・実物を模擬した設備の活用による実習を取り入れ、実務に即応しうる原子力技術者・熟練者育成の教育内容となっています。
工学基礎科目から専門科目への段階的なステップアップ
低学年には、数学・物理・化学などの「数学系・自然科学系科目」、情報リテラシーなどの「情報系・工学教養系科目」といった工学基礎科目を中心としつつ、「放射線概論」、「原子力汎論」といった専門科目の導入も学びます。高学年には、進路希望により「原子炉工学」「核燃料サイクル工学」「原子力構造設計工学」「原子力安全工学」「放射線工学」の5つの分野の専門科目を学びます。
資格取得のための体系化されたカリキュラム
原子力安全工学に関わる特徴的な科目を複数配置しています。現場作業責任者として必要な原子力関連の資格(「技術士(原子力・放射線)」、「放射線取扱主任者」、「原子炉主任技術者」等)を取得できるよう、カリキュラムを体系化しています。
本学の原子力研究所を活用した教育・指導
「管理技術」、「運転制御」などの原子炉運転に関する専門的な教育には本学の原子力研究所での経験を活かし、放射線や原子力に関わる講義を展開していきます。「電気機械・放射線実験」「原子力実験実習」といった実験科目においては、原子力研究所の放射線管理区域における実習も含まれており、研究室に配属される前から実践的な教育を受けることができる様に配慮しています。 原子力の中核的分野である原子核反応や原子炉理論,さらに,より安全な原子炉を設計する基礎となる原子炉プラント工学や,炉の核特性・熱流動・動特性を含む原子炉工学分野,さらには原子炉の廃炉技術まで体系的に学ぶ事ができます。当該分野に関心を持ち,専門知識の修得を希望する学生は「核反応工学基礎」「原子炉物理学」「原子炉設計工学」を履修すること。 化学を主な基礎分野として,核燃料や炉材料についての基本的知識を修得することができます。専門的には,ウラン等核燃料採掘,転換,濃縮,加工までのフロントエンド技術,そして使用済み燃料の再処理,放射性廃棄物の最終処分などのバックエンド技術といった核燃料サイクル分野全般を体系的に学ぶ事ができます。当該分野に関心を持ち,専門知識の修得を希望する学生は「核燃料・放射化学基礎」「核燃料材料・サイクル化学工学」「バックエンド工学」を履修すること。 原子力安全を考える上で重要となる機械構造物の静力学,動力学を修得し,さらに,耐震工学から廃炉工学までの原子力機械工学分野を体系的に学ぶ事ができます。当該分野に関心を持ち,専門知識の修得を希望する学生は「原子力構造工学基礎」「原子力耐震工学」「原子力メンテナンス工学」を履修すること。 原子力安全を考える上で重要となる原子炉や安全設備の基本構成,通常運転,異常事象及び重大事故時のプラント挙動を修得し,さらに,核反応,熱流動から炉心・燃料設計,安全・耐震設計,リスク,放射線に係る安全までの原子力安全分野を体系的に学ぶ事ができます。当該分野に関心を持ち,専門知識の修得を希望する学生は「原子力安全工学基礎」「原子炉熱流動・リスク工学」「原子力安全工学」を履修すること。 放射線の安全や計測についての基本的知識を修得することができます。専門的には,加速器利用工学や放射線医療工学など基礎から応用まで体系的に学ぶ事ができます。当該分野に関心を持ち,専門知識の修得を希望する学生は「放射線・電気工学基礎」「放射線計測工学」「放射線利用工学」を履修すること。
5つの分野
原子炉工学
核燃料サイクル工学
原子力構造設計工学
原子力安全工学
放射線工学